2026年3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、米国代表チームの準備が着々と進んでいる。その中でも注目を集めているのが、ピッツバーグ・パイレーツの若き剛腕、ポール・スキーンズの参戦だ。5月13日、スキーンズはMLB公式ネット局『MLB Network』の番組に出演し、2023年大会の決勝で繰り広げられた大谷翔平とマイク・トラウトの歴史的な対決が、自身をWBC参戦に駆り立てた大きなきっかけだったと語った。「あの対決を見て、『絶対にやる』と心に決めた」と彼は振り返る。この発言は、野球ファンの間で大きな話題となり、米国代表の「ドリームブルペン」についても熱い議論を巻き起こしている。

2023年のWBC決勝は、侍ジャパンが米国を3-2で破り、14年ぶりの世界一に輝いた試合として記憶されている。特に、9回裏に大谷翔平がエンゼルスのチームメイトであるトラウトから三振を奪い、試合を締めくくったシーンは、野球史に残る名勝負として世界中で称賛された。スキーンズはこの瞬間を「信じられないほどの緊張感と情熱のぶつかり合い」と表現。あの対決が彼に国際舞台での挑戦への強い意欲を植え付けたと明かした。Xでの投稿でも、ファンは「大谷vsトラウトがスキーンズを動かした!次のWBCが楽しみ」と興奮を共有している。

スキーンズは、2024年にMLBデビューを果たした新星で、平均時速100マイルを超える速球と鋭いスライダーで早くも注目を集めている。22歳の若さながら、彼の投球スタイルは米国代表のブルペンに新たな火力を加えると期待されている。彼は番組で、「WBCは特別な舞台。国の誇りを背負って投げることは、どんな試合とも違う」と語り、米国代表のユニフォームに袖を通すことへの強い意欲を示した。スキーンズの参戦は、2023年大会で優勝を逃した米国代表が、2026年に2大会ぶりのタイトル奪還を目指す上で大きな後押しとなるだろう。

米国代表のブルペン構成についても、スキーンズの出演を機に議論が白熱している。2023年大会では、アダム・ウェインライトやライアン・プレスリーら実績ある投手が名を連ねたが、決勝での侍ジャパンの打線に苦戦した。ファンやメディアは、スキーンズを中心に「ドリームブルペン」を構築する可能性を模索している。MLB Networkのアナリストは、スキーンズの速球と、クローザーとして活躍するエドウィン・ディアスやジョシュ・ヘイダーらの変化球を組み合わせたブルペンを提案。X上では、「スキーンズが先発で、ディアスが締めれば無敵だ!」といった声が飛び交っている。 このような議論は、米国代表がどれだけ本気でWBCに臨むかを示している。
一方、スキーンズの参戦は、大谷とトラウトの対決がもたらした影響の大きさを改めて浮き彫りにする。2023年大会では、トラウトがキャプテンとして米国代表を牽引したが、惜しくも優勝には届かなかった。彼は大会後、自身のインスタグラムで「米国を代表して戦うことは一生の誇り。また挑戦したい」と投稿し、2026年大会への意欲を示している。 スキーンズも同様に、トラウトの情熱に触発された一人だ。彼は「トラウトのようなリーダーがいるチームで投げられるのは夢のようだ」と語り、2026年の米国代表が「史上最強」と呼ばれる可能性に期待を寄せた。
日本のファンにとっても、スキーンズの参戦は注目すべきポイントだ。侍ジャパンは2023年大会で圧倒的な強さを見せつけたが、2026年はさらに強力な米国代表との戦いが予想される。メディアでは、村上宗隆や高橋光成らが次回大会での活躍候補として名前が挙がっており、日米対決の再戦に期待が高まる。 スキーンズ自身も「大谷のような選手と対戦するのは楽しみだ」と語り、再び歴史的な瞬間が生まれる可能性を匂わせた。
WBC2026は、スキーンズのような新星とトラウトのようなベテランが融合した米国代表が、侍ジャパンをはじめとする強豪国に挑む舞台となる。ファンはすでに「次はどんな名勝負が見られるのか」と期待に胸を膨らませている。スキーンズの決意とドリームブルペンの議論は、野球の国際舞台がさらなる熱気を帯びることを予感させる。2026年3月、マイアミでの戦いが待ち遠しい。